DOJOサポーター中四国支部、コチャコです。
3月21日に発売された小林よしのり先生の「日本人論」。
小林先生のファンの方はもう読まれた方も多いのでは思います。
「欧米発のキャンセルカルチャー」の危険性が描かれています。
犯罪者として裁かれていない過去の性的行為を裏取りもせず証言のみで暴いて
一方的に糾弾し、全面的に非を認めて謝罪したジャニーズ事務所は
解体を余儀なくされ、所属タレントはCMや出演番組から降板させられました。
その余波が次々ターゲットを変えて広がっていき、日本人を楽しませてくれた
松本人志氏が今や表舞台に出られないという異常事態。
欧米発の「キャンセルカルチャー」が本格的に日本で発動したということです。
そのきっかけになったのが英BBCの故ジャニー喜多川氏の報道番組。
それまで故ジャニー喜多川氏の少年愛性嗜好は度々取りざたされ、
正直私も昔暴露本で読んで性的行為の強要なら問題だな、と悪印象がありました。
しかし公論イベントでの小林先生のお話を聞き、「日本人論」の連載を読むうちに
ジャニー喜多川氏への印象は変わって、気づかされたことがあります。
ジャニー喜多川氏は少年愛嗜好を盛り込みながら
タレント志望の少年達の才能を開花させ、
万人を魅了するショービジネスに育て上げた
クリエイターだった。
それは日本の同性愛、少年愛に寛容だった日本文化の、
日本独自の芸能文化と切っても切り離せない
関係から繋がっている、ということです。
それに対し、多くの人が格別問題意識を持たなかったにも関わらず、
欧米の報道でこれは世界基準での人権侵害であると言われたら、
一斉に掌返しをしたわけで、なぜこう日本人は欧米基準を出されると
卑屈なまでに従ってしまうのか。
その大元を辿ると小林先生の「大東亜論」に描かれている通り、
明治維新後の薩長藩閥政治家の罪にあると言えるのではないでしょうか。
最も罪深かったのは前回のブログでも触れたように大久保利通の日本流の道義を捨てた
欧米の威圧外交の模倣。欧米文化の真似事。江戸時代までの日本の文化の否定。
これにより、現在に至るまで日本人の無意識下に
「欧米基準は世界で一番正しい」の刷り込みが
されてしまったのではと思います。
ゴーマニズム宣言SPECIAL 「大東亜論第二部 愛国志士、決起ス」電子版上巻より
それでいて、男尊女卑は江戸時代以前より酷くなってしまったのも確かです。
なにしろ、男尊女卑を理由に皇位継承を法的に男系男子に限ってしまったわけですから。
ゴーマニズム宣言SPECIAL 「大東亜論第二部 愛国志士、決起ス」電子版下巻より
「文明開化」の言葉の代表されるように欧米文化の機械化、一見豪華絢爛な様相に目を奪われ、
西郷隆盛の信条であった道義外交を潰し、キリスト教価値観を礼賛し、欧米の帝国主義の甚大な
加害行為に批判もせず、一気に日本の文化を格下げした当時の薩長藩閥政治家の不見識、アジア蔑視が
その後の日本の歴史に大きな負の遺産を残してしまった。
ゴーマニズム宣言SPECIAL 「大東亜論第二部 愛国志士、決起ス」電子版上巻より
「大東亜論」と「日本人論」を読んだことで改めて今回のキャンセルカルチャー騒動が
そんな明治以降の歴史と繋がっていることに思い至り、ゾッとしています。
日本は、日本文化をキャンセルしようとする欧米に、国内の左翼に、常にターゲットにされている。
その警戒感、危機感を忘れてはならない、そう思います。
次回も「大東亜論」の感想の予定です。
この作品で知り、好きになった登場人物
高場乱(たかば おさむ)について書きたいと思います。
ゴーマニズム宣言SPECIAL 「大東亜論第二部 愛国志士、決起ス」電子版上巻より